行動を変える=7つの習慣

行動の基礎構造(こころの持ち方・物事の見方)

インサイドアウトで環境を変える。

A‐物の見方(パラダイム)を転換する。

 人格を高める原則に基づくパラダイムを持つべきである。原則とは人間の資質において、自然の法則と同じく、国や時代を越えて普遍的な正しさを持ち、誰もがその価値を認めるもの。たとえば、公正さ、誠実、貢献、忍耐、勇気、人間の尊厳などがそれである。これらを原則として行動する習慣が身に付けば、人生は正しい方向に開かれていく。

B‐正しさを認識する『知識・スキル・やる気』の体得。

 人がある行動を習慣として身につけるには、なぜ必要か、何をするのかを理解する「知識」、どのような方法でするのかを理解し、必要な技能を身につける「スキル」、強く実行し習慣にするという気持ちを持つ「やる気」の3要素が必要である。

C‐自分が変わると、取り巻く周辺環境が変わる。

 環境や他人を直接変えることはできないから、自分から相手がしてほしいことを予測し、過酷な状況でも、自分の出来ることを考え、率先して大変な役目を引き受け動くことで、周りから一目置かれる存在になり、その才能が認められるようになれば、他人の思いや環境が変化してくる。

☆インサイドアウトとパラダイムシフトについて、ビジネスへの適用を考えてみる。

 ビジネスの場面設定(いつ・どこで・だれが)と、出来栄え(なにを・どうする)の確認、さらに結果に至った理由の背景(なぜ・いくらで)を見つめなおす時、他からの影響だけでなく自らの行いに十分な評価をすることで、どの程度周辺に影響を与えることが出来たかを確認できる。

主体性を発揮する(第1の習慣)

A‐自分が「なぜ、こうしたのか?」を自覚すること。

 環境や他人のせいにすることは、客観的事実ではなく、自分で考えることを放棄した結果である。環境や他人からの刺激を受け、自分の中で理解し自覚した上で行動した結果は、何が欠けていたかが整理できる。何事も主体性を自覚して行動することに心掛けること。

B‐自分のやり方を変えることで、相手が変わることを理解すること。

 行動を始めるとき、規制の事実に従ってあるがままに行うより、同じ結果を求めるならば他に方法や材料がないかを考え、自分から進んでやるのだという主体的動機で始めることにし、自分の行動に肯定的になれば、相手の行動にも肯定的になれ、優しく接することが出来る。

C‐自分の影響の輪がどこまでかを理解し、意識すること。

 主体的に行動するために必要なのは、自分の行動が周りにどのような影響を与えているのかをきちんと理解することです。影響の輪は関心のあるものの中で、自分が直接影響できる範囲のことで、ある事柄が影響の輪に入るかどうかは、それぞれの立場や地位などにより異なる。

D‐自分を変えるための小さなことから始めること。

 主体性を発揮するために、自分との約束を日々一つずつ誠実に果たすことである。その内容を5つにすると、・他人のせいにしないこと・問題に直面したらどうしたらできるかを考える・他人の欠点を批判しない・愚痴を言う集団には入らない・常に問題解決に貢献すること。となる。

☆ビジネスにおいて主体性を発揮することが大切なことを考えてみる。

 とかくビジネスでは社会環境の変化や、経済状況の変化に左右されるものですが、基本的には自らの企業が主体的に行動した結果、いろいろな影響を受けたことはやむを得ないことです。活動の中で問題に直面したら、常に積極的に解決に取り組むことで、次回への礎になる。

明確な目標を持って始める(第2の習慣)

A‐目的を持つことで、行動の正しい方向を定めること。

 人生とは、頭の中でつくられるイメージ(知的創造)と、実際に形が創られる(物的創造)によって創るものである。特に知的創造による目的を定めて、目的を実現するための行動を選択しながら、物的創造を目指します。

B‐自分の力で、目的を正しく決めること。

 人生の目的を見出すために、影響の輪の中心となる自分の向かうべき方向を意識し、日々の生活の中で自信を自覚する力を発揮し、将来の姿を想像しイメージを具体化させることができる。ただし、社会のルールや自然の法則に背かない良心のもとでの思考や行動を前提とします。

C‐迷った時に立ち返る、自分の原則を知ること。

 生活の中心に置くものにより、人の行動は変わってくる。項目はさまざまな価値観の基に存在するが、その原則は「公正であること」「誠実であること」「人に貢献すること」など、自分が大切にしたい強い価値観のこと。常にその原則に照らして行動を選択すれば、行動の芯が出来る。

D‐自分の原則を記憶に残る「キャッチコピー」にすること。

 自分の最期をイメージし、それまでどう過ごすかを考え、現在の自分の役割を書き出し、何を達成しようとしているのか「目標」を決める。主体的な原則に従い、目標をどう実現できるかを考え、具体的に行動する。そして定期的に目標の見直しを図る。

☆ビジネスにおいて明確な目標を持って始めることが重要なことを考えてみる。

 企業においては資源(人材・資産・システム・商材など)を様々な形で保有しているが、その資源をどのような方向に導くかをきめるのは、企業の明確な目標を定義することである。まずは、可能な限りのイメージを働かせて、目標を可視化すること、さらにその目標に向けて具体的な行動を選択する。

行動の重要事項を優先させる(第3の習慣)

A‐管理できない時間を気にするより、重要事項の順序を決めること。

 自分の人生を生きているという充実感を得るためには、行動管理は重要事項を優先して行うこと。自分の意思に関わらず刻々と進んでいく時間は管理できないことを認識し、何を優先するかを順序だてて行動することを考える。

B‐緊急ではないが重要なことに時間を使うこと。

 緊急ではないが重要なことに集中する為に、原則を中心に置く意識を思い出そう。常に成長に必要なことを優先すると、緊急でも重要でもない事にとらわれる安楽な時間の過ごし方が減ってくる。最も厄介な緊急だが重要ではない事についても、誠実にノーと言えるようになる。

C‐それぞれの役割ごとの目標を正しく理解すること。

 役割ごとに目標を設定し、スケジュールを立てることが重要だが、スケジュール通り実行できなくても、それぞれの時点で優先すべき事項は何かを明らかにし、今どんな行動を選択すべきかが見えてくる。そのためにスケジュールを変更してもまったく問題がない。

D‐自分の時間がオーバーする時は、人に任せることを考えること。

 生活の中で、緊急性はないが重要な活動をより多く実行し、役割と目標をはっきりさせたうえで、1週間の計画を立てる。自分のスケジュールの中で解決できない時間の不足は、相手に正しく伝えて任せることも大切になる。その結果マネジメント力の向上に結び付く。

☆ビジネスにおいて行動の重要事項を優先させることが重要なことを考えてみる。

 企業の目標に向かって最適なスケジュールを立てることが有効になりますが、行動項目の緊急度と重要度を適切に判断する必要があります。そこで、通常の時期はスケジュールに従って進めればいいのでしょうが、活動に変化を伴う場合は、緊急ではないが重要なことに時間を使うようにしたい。

Win・Winの関係成立を考える(第4の習慣)

A‐信頼残高を増やすための人間関係を充実させること。

 人としての基礎体力は相手からの信頼度を高めることが大切です。そのために、相手の価値観・重視していることを理解し、小さな心づかいや礼儀を大切にする。必ず約束を守りながら、お互いが期待することを明確にし、誠実さを示すこと。しかし、過ちは誠意をもって謝ること。

B‐本当の解決策は、双方が納得できるやり方であること。

 人間関係には6つのパターンがありますが、結果的に双方が納得できる方法は、片方だけが優勢な案ではなく、両者が納得できる双方の案とは別の第3案を発見し両者が欲しい結果を得ること。そうならない場合は、この課題自体を進めないという選択をすることが望ましい。

C‐もっとも豊かになる為には、他人に与える人であること。

 Win・Winの関係を成立させるために、信頼関係を築く普段の行いや態度をリストアップし、Win・Winの為の障害と、相手の望む結果を明確にする。そのためには相互利益を求める相手を思い浮かべ、どうすれば相手を観察・学習できるかを具体的にイメージ化して考えてみる。

ビジネスにおいてWin・Winの関係を成立させることが重要なことを考えてみる。

 企業は取引を行う企業や、商材を購入してくれる顧客、サポートしてくれる様々な相手との関係を良好に保つことが重要になってくる。そのためには、自社が一方的に有利になるだけではその関係は維持されないことが通常である。Win・Winの関係を築くことが大切になります。

対象を理解してから理解されることを考える(第5の習慣)

A‐相手を理解するために「聞き上手」になること。

 自分のことを理解してほしい気持ちがあるのに、成功している人は少ない。まずは、相手を理解するためのコミュニケーションスキルが重要だが、その中でも聞くことの訓練を受けている人は少ない。そのため、言いたい気持ちが先走り相手の話を聞くことが出来ていないからだ。

B‐相手のこころを開く聞き方の4段階を体得すること。

 相手の心を開かせるために、話の中身を繰り返しするくらい相手の言葉に注意し、話を自分の言葉で要約した合いの手を入れながら、相手がどう感じているかに注意して聞けるようにする。もちろん、真心から相手を理解したいという気持ちを持つことが前提である。

C‐人から理解されるための信頼と協調性があること。

 人から自分の話を理解してもらうために、相手に話を真剣に聞く練習をすると伝え、一定期間後に気づいたことを教えてもらう。相手の立場で問題を予測し、実際に相手を理解して聞くようにし、その差を比較する。話す時にも相手に感情移入した立場から行う。

☆ビジネスにおいて理解してから理解されることが重要なことを考えてみる。

 ビジネスを行う上で、様々な人々と関わっていく事は間違いのない事実です。そういった場合は、こちらから一方的に物事を発信するだけでは、物事は成立しません。相手のニーズを的確に把握し、そのニーズをいかに満たして行くかが事業の成功のカギとなります。

異種・異業の関係に相乗効果を発揮する(第6の習慣)

A‐違う人同士が出会うと新しいものが生まれる。

 人との違いを認め、弱点を相手に見せることで、相手の長所を学び、自分の知識や考え方をレベルアップできる。相乗効果を生むためにそれぞれ違う経験をし、違う人生を生きている相手を尊重し、見方や考え方を広げてみましょう。

B‐コミュニケーション次第で相乗効果は大きくなる。

 信頼度と協力度を高めるために相乗効果的コミュニケーションができるかがカギとなる。一方的な防御的コミュニケーションでなく、妥協的に陥りやすい尊敬的コミュニケーションでもない、双方に利益になる新しい案を生み出す相乗効果的コミュニケーションを心掛ける。

C‐すべての習慣を積み重ね根気よく人と接すること。

 人と接する際、進行中の問題で自分の意見に固執していないか、異なる意見に価値を見出し、新たな案を打ち出せるか、気になる相違点をプラスに考え、相乗効果が欲しい状況を想定し、活動のための条件や自分の出来ることを考えてみる。

☆ビジネスにおいて相乗効果を発揮することが重要なことを考えてみる。

 ビジネスにおいて異業種との関りは、新しい仕組みやサービスを生み出す源泉になることは間違いないが、あまり関係において自社の主張に固執してしまうと、お互いの長所が出し切れずに、プラスに働く相乗効果が見込まれなくなることが多くなる、その点に注意した上でお互いのプラスを認めあうことである。

自分の器を大きく育てる(第7の習慣)

A‐自分への投資なくして成功はあり得ない。

 自分を大きく育てるために、肉体、精神、知性、社会・情緒の4つを、健康状態を良好に保ち、ブレない価値観を持ち、日々新しく正しい情報を収集する力を身につけ、人間関係と社会的環境を正しく整えているかの基本を磨き向上させること。

B‐肉体を鍛えながら精神を磨き上げる。

 肉体を磨くために、食事・休養・運動によって体をメンテナンスする。精神を磨くために心を静め、穏やかにできる空間を作り、自らの価値観を深く見つめる。知性を磨くために、自信を常に向上させ、情報洗濯・収集力を身につける。さらに他人との関係強化をするために心を保つ。

C‐社会・情緒の研鑽は他者との関係性で鍛える。

 人は社会に出ると、仕事や生活に関係しない分野の知識を増やさなくなる。その習慣をやめ、知的能力を高めるために優れた本を読み、社会に対する理解を深めていき、自らの経験や考えをまとめてアウトプットする習慣を作るようにすること。

D‐自分の「刃を研ぐ」ことで周囲の支えにもなれる。

 人と人が支えあうために、まずは自分を強くすることが必要になる、自分や相手の可能性を信じ、お互いに否定することなく、勇気づけることが出来れば、自身の再新再生(リニューアル)を実現できて、高いレベルで自己を肯定し「自分とは何者か」に目覚めることが出来る。

☆ビジネスにおいて自分を大きく育てることが重要なことを考えてみる。

 企業は投資を続け体力を増やすことを考え続けることに注力する。ただし、単純に大きくすることが周囲から望まれているとは限りません。適切に利益が出ており周囲の利益にも配慮していることが重要になります。自社のリニューアルを日々重ねていく事で、周囲からの支えも増加してくると信じること。

自分の内面の声をモチベーションにする(第8の習慣)

A‐自らの「声(ボイス)」がモチベーションを呼ぶ。

 人間は生まれつき才能と精神的強さを持ち、モチベーションを上げる情熱があり、自分や世界が必要としているニーズを発見する力があり、その行動が正しいと確信させる良心が備わっている。それぞれが共鳴しあって内なる声(ボイス)が現れ、各自の存在意義が生まれる。

B‐生まれつき備わった3つの天賦の才を信じること。

 人には選択する能力、原則、インテリジェンスの天賦の才を持ち、大切に育てていくと、必ず自分に秘められた可能性に気づき驚く、そのとき自分の内なる声(ボイス)が語りかける。ボイスは自分の生きる道を示し、自分の人生はその時点から眩しく輝き始める。

C‐「声(ボイス)」に従う生き方で周囲を奮い立たせる。

 「世界を変革する為には、まず自分自身が変わらないといけない」とガンジーが遺したように、何かを変えたいのなら、まず自分のボイスに耳を傾け、自分が変わる必要がある。リーダーとして信頼を集め、規範を示し方向性を示すことで、周囲は感化されモチベーション向上が望める。

☆ビジネスにおいてボイスをモチベーションにすることが重要なことを考えてみる。

 企業として成立した時点での、経営活動のモチベーションとなる「理念・方針」は、個人で言う内面のボイスと呼んでも間違いないと思われる。企業が大きくなっても起業時点の思いを、日々磨き続けることを忘れない事ではないでしょうか。

社会の課題をヒントにアイデアを産み出すためには、現在の生活習慣を大きく変化させることや、思考の変化が必要になることを前提にまとめてみました。

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